堀田篤宏 不動産投資ブログ

2001年より不動産投資やヘッジファンド、1998年より株式投資を継続。9年ぶりにブログを再開 現在は豊島区・板橋区などを中心に約50世帯を所有・管理。2年前は85世帯、売却直前には約100世帯まで所有したが、リスクオフを段階的に実施してきた。

2020年08月

以前知人からスゴいブログを教えてもらった。

「童貞で40代で司法浪人」というタイトルのブログで、この人は男子高校に入ってから人生が暗転し始めて法政大学に進学もそれは不本意だったようで、東大に入ったら人生逆転だ、を狙うべく仮面浪人を重ねたり大卒後は司法浪人をずっと続け、それも結局は断念してブログ最終更新あたりの状況では日雇い労働をしているという内容だ。

この人は男子校に入った事が人生最大の失敗だった、仮に今から大金を貰ったり弁護士になれたとしても40歳を過ぎた中年オヤジが女子高生や女子大生と仲良くなれる訳ではない、今後の自分には一回たりとも若い女性と楽しい時間を持てない人生しか残されていない、そんな意味ではただひたすら悔恨の念が強くなり過ぎ去った時間に思いを馳せるだけだ、みたいな事を書いている。

これは本当にその通りだろうなあ、と思う。
人間には旬というものがあり、旬の時期だからこそ出来る事があるだろう。

小学生くらいだからこそすぐに初対面の学友と仲良くなれ友人という関係性を構築できるし、泥んこになって遊ぶことが出来る。
中学生くらいだからこそ、成長期で食欲旺盛になるから食べ物が美味しく感じられご飯を何杯でもお代わりできる。
高校生くらいだからこそ、異性と手をつなぐだけでもドキドキできるし、純粋に好きな人を想う事ができる。

脇目もふらず勉強をして、成功してから人生を楽しみたいと言う人もいるだろうが、旬を過ぎてしまうともう純粋に楽しむことなど出来やしない。

そんな意味では、男子校や女子校というのは結構大変な環境なのではないかと思う。
人生の旬を味わい尽くす事が出来なくなるのでは、と私は自分の経験からも想像してしまうからだ。

高校生の時、男子校に進学した同級生とバッタリとバス停とかで出会う事があった。私が「男子校っていうのは、どんな感じかな?」と聞くと、「うーん、なんか刑務所とか軍隊みたいな感じがするよ。女子校との合コンとかはあるらしいけど、日常はむさ苦しいね。」みたいな事を言っていた。

これを聞いた私は、よく彼はそんな環境に我慢できるなあと驚いたものだ。
共学ならば、家庭科の授業でリンゴの皮むきが出来ない場合は女子生徒が手伝ってくれたり、そんな子と仲良くなれば例えば私が脱ぎ捨てたジャージをキチンと畳んでロッカーにしまってくれたり、なんて事もある。

そんな経験を一回も得られない学生生活ってどうなんだろうか、と当時も今も私は疑問に思っている。

人生に後悔を残さないためにも適切な時期に適切な環境で、未成熟という稚拙さがある中で存分にその時間を味わうという経験を得られる事が、大人になってからの長い人生を微かに照らす灯火になるのではないかと私は考えている。

私はその意味で、中学時代に良くしてくれた女子生徒への感謝の念を今も抱いているし、高校時代の想い出を顧みてもそれは懐かしく切なく、いつまでも私の掛け替えのない財産として自分の頭脳と心の中にずっと留まる事だろうと思う。

子供の教育を考えた場合、やはり経験を積むという事を考慮すると共学が無難なのではないか。
対異性を考えた場合、経験を積んでおく事は大切だ。

株や不動産もそうだが、経験値を積んでいく事がなければレベルは上がらない。
教科書を読んで理解したつもりでも、実践を伴わないと全然身に付かないというのは当たり前の話で、三国志の馬謖が街亭の戦いで諸葛亮の指示に背き行動に妥当性を欠き大敗したのも、「孫子読みの孫子知らず」という警句の典型例だろう。

中年になってからキャバクラにハマったり、満たされない思いになり出会い系サイトに流れる人もいる。
そんな人は学生時代の満たされぬ思いを、カネが出来た時分になってから弔い合戦で青春を取り戻そうとしているのかもしれない。

色々考えると、共学校に子供を進学させる方が良いのではないだろうか。

私には板橋区に勤務している知人がいる。

板橋は昔からパッとしないイメージが定着していて、今では分離独立した練馬区の方がむしろ綺麗な町並みで子育て世代の評価が高くなっている。

隣接している豊島区も板橋同様、何となくリーズナブルなイメージが纏わりついてきたが、区長が奮闘努力して区役ションタワーを造ったりハレザ池袋(旧区役所跡地)の再開発に成功したりで、イメージアップに成功してきた。

これに板橋も多少は触発されたのか、再開発を進めるべく先日東武鉄道の重役と面談に至ったそうだ。
板橋区では都営三田線と東武しか区内を鉄道が走っていないので、東武は重要なキーパーソンだ。(JR板橋駅は北区・豊島区が大部分)

しかし東武の態度は冷淡で、これでは先行きが厳しいなあと板橋の担当者は項垂れて帰還してきたとの事。

東武は下板橋再開発を以前計画していた位、板橋区内に広大な土地を保有している。
下板橋再開発は日大板橋病院の移転を下板橋駅上にもくろんで、留置線や駅配置を抜本的に変更する再開発を東武で考えたのだが、今では日大と賃料で揉めて以来、計画が停止状態だそうだ。

今回、板橋の担当者が色々な話題を振り東武にアタックしたそうだが、東武では川越の観光資源の話に振り替えたりでなかなか言質を貰えなかったようだ。

東武としては今更東上線に本腰を入れる必要性もなく、精々池袋西口再開発に取り組む位で充分、という考えなのかもしれない。

当然コロナもあり景気後退もありで東武の先行きが厳しくなりつつあり、加えて少子高齢化で輸送人員が減少傾向にあるのだから、今更追加投資を板橋区内でやっていく必然性は薄いという見解なのだろう。

以前から東武東上線は本線に比べれば冷遇されていて、駅舎は小汚いし(特に板橋区内)駅周辺もゴミゴミしていて、昭和風味満載な感じだ。

東武からすれば伊勢崎線や日光線系統こそ本線で、その長大な沿線には日光や鬼怒川温泉、乗り入れ迄考えれば会津若松まで繋がっている訳だし、上手く開拓できれば観光資源を生かした路線作りが期待できる。

東上線は所詮途中で初代根津嘉一郎が買ったものだし、追加投資をしてもしなくてもさほど将来性に影響がないから、ターミナルの池袋と川越だけ多少力を入れとこう、位の感覚なのだろうか。

板橋区では今後も東武に改めて期待したいようだが、コロナもあり東武としてはあまり動けない雰囲気だ。
大山駅の高架事業位しか当面の動きはないのかもしれない。

三宿にある不思議なハンコ屋さんで有名な山本桃仙さんと以前お会いした時に、東京各区の将来性を聞いたことがある。
桃仙さん曰く
「板橋だけはダメだよ。将来性がない。」みたいな事を言っていた。

まあ、これは話半分な事だから真に受けなくて良いだろうが、東武が東上業務部(現東上営業支社)を本線と同レベル位まで重視して投資をしていくか、それが出来ないなら独立させるか売却しない限り、さほど東武東上線と板橋区の未来は明るくないのかもしれない。

板橋が発展するには東武が抜本的に対策を進める必要性があるのだが、輸送人員が減少傾向な東上線にそこまで本腰を入れられないだろう。

私も板橋区内に所有しているJR駅徒歩圏の物件があるのだが、これは道路一本の差で板橋区になってしまっている状況で、本格的な板橋区内という雰囲気ではないのだが、それでも板橋区内は独特のオーラが漂っていて、明らかに豊島や練馬とは違う感じがする。

今後私は板橋区内で買う場合、JRまで歩ける物件しか検討は出来ないだろうが、東上線が頑張る会社になった場合は、見方を変更していきたい。

本来はポテンシャルがある訳なのだから、勿体ないなあと私は板橋区の事を惜しく思ってしまう。

のらえもんという人を私は存じ上げていなかったが、某不動産屋さんに教えてもらった。

この人は湾岸タワーマンション購入を推奨していて、価格が下落する事は無いという考えをブログ等で啓蒙しているという事だ。

私とは考え方が全然違うので勉強になるかなと思い、著書を購入して読んでみる事にした。

読んで感じたのだが、発売は今年の3月中旬だが執筆は当然それ以前だろうから、コロナ騒動以降で心境に変化があったかどうかまでは著書に盛り込まれていない。
東京五輪やインバウンドが継続している前提で、執筆されているからだ。

この人のブログでは最新の状況も併せて書いているので、流し読みしてみた。

のらえもん氏が言うには、マンションは例えば300世帯だとしたら300人のマンパワー(扶養家族は別として)を結集して建物や設備を維持できる。
戸建てだと1世帯の力で全てを賄わなくてはならないから、それだけチープになる。
だからマンションの方が居住性だけでなく資産性も断然優れている、との事。

私はそれはその通りだが、別の側面から見ると300世帯と共有しなくてはならないという事は、資産保全の点から考えるとリスクが多くあまり芳しくないように感じる。

会社の場合でも、自分だけが株式を所有しているオーナー企業と何百人もの株主がいる会社では苦労がまるで違うだろう。
人が多くなれば、それだけで煩わしさが出てきて意見の衝突も起きやすい。

マンションの場合だと例えば私が敷地内や建物内でこんな風にリフォームしていきたいなあと考えたとしても、そんな計画が通る事は難しいだろう。

私はその意味でどれだけ高級でもホテル感覚でも老人ホームに将来入るのは嫌だし、ヘッジファンドだろうがオフショアファンドだろうが、自分でコントロール出来ないものに大金を預けるのも嫌だ。

だから区分所有物件も悪くはないが資産配分の上限ラインを設けてそれ以上は投資しないように注意して、メインの投資先にしたくない気持ちが強い。
イチイチ管理組合と話し合いしなければ何も進まないし、案件によっては揉める事もある。

都内でも好立地にある某秀和レジデンスマンションの管理組合が崩壊しているのは有名な話で、このマンションでは賃貸禁止だったり夕方以降は外部からの訪問者を謝絶したりで、所有者はえらく大変な思いをしていると私は聞いている。(全部が本当かは判らないが。)

新宿にある某大規模マンションでも管理組合理事長が会計や運営を私物化してエライ揉めていたそうで、知人がこの物件を所有していたのだが嫌気がさしたのか売却した。

これから高齢化社会が更に進み、認知症の人や頑固な人・人の話を聞かない人などがどんどん増加していくだろう。
そんな状況で他人と資産を共有するというのは結構なリスクだ。

私の経験した例で言うと、新大久保の区分所有を持っていた時の事。
私の部屋は1階の角部屋で、治安が悪いエリアなのに目隠しが無くて道路から部屋やバルコニーが丸見えになってしまう。

これでは入居者が不安だろうと思い、目隠し用のアクリル板みたいなものを私に使用権がある専用庭内の道路境界に立てかけた。
固定しての設置は管理組合の基準でダメだろうと思い植木鉢で固定させたのだが、ある日見に行ったらそれが無くなっている。

管理会社に問い合わせると、理事長が外せと言うので外して捨てたとの事。外すのはともかく勝手に捨てるのはどうかと思い、直後の総会で私は理事長に詰問した。

しかし理事長や理事は「勝手にしたあんたが悪い。」とまるで開き直る。
皆さん老人ばかりで長年の付き合いだからか新規購入者は格下という扱いで、これは酷いものだなあと当時思った。

これが一棟ならば何も問題はないし、全て所有者の一存で計画実行できる。
私はそんな訳で公道に面した整形地で誰にも許可を取らなくて良い一棟モノが投資に適していると思い、それをメインにしてきた。

のらえもん氏が言う湾岸タワマンも、20年後には私が所有していた新大久保や某秀和レジデンスみたいな状況になるリスクは当然あるし、安政江戸地震のような直下地震程度ならば長期停電位だからまだ良いが、海溝型の関東大震災クラスの激震が来たら湾岸タワマンの住戸内でどんな状況になるか、まだ実証されていないのも恐怖を感じる。

タワマンが壊れる事は無いだろうが、地盤が軟弱な湾岸で激震の場合、中に住んでいる人が負傷したり死ぬリスクは案外あるだろう。赤ちゃんやネコくらい小さなものだと部屋の端から端まで飛んで、重大な結果にもなり得る。

免震構造と言えども、KYBや東洋ゴムが数値を偽装していた訳で不安感があるし、建物は無事でも揺れた時に室内は豆腐のようにグシャグシャになるのかもしれないし、ならないのかもしれない。

ミサイル攻撃でも大丈夫なイメージがあった原発が案外脆く、福島での原発爆発が想定外だったように、湾岸タワマンもこれから実験が進んで初めて評価が定まるモノだから、まだ人知を超えた部分を体験していないのに手堅い資産と評価するのは難しいのではないだろうかと思う。

最近の夏は暑さが増しているからか、ハチの巣が出来る事が多くなってきた。

いつもハチの巣を駆除していて思うのが、スズメバチは相当強い。
例えば足長バチ程度だと簡単にスプレーで全滅するし、加えて巣にスプレー噴霧をしておくと帰還したハチ達も駆除できる。

しかしそれがスズメバチだと全然別の生き物なのかと思うほど強い。
スズメバチ用のスプレーを買ってきて、アウトレンジ作戦で遠距離から噴霧するとまるで効かない。
かと言って、近距離から噴霧しても平然と噴霧した中を飛び回っているので、本当に強敵だと思う。

スズメバチの場合反撃を喰らい刺されるとヤバいので、こちらは退避を適宜しながら時間をかけてスプレー噴霧していく必要があるし、そもそもスプレーがさほど効かないのでジワジワと攻める必要がある。
これに比べると足長バチは簡単すぎるレベルだ。

夏の暑さが尋常ではないからか、軒天井に巣が出来る事が増えているので、マメにチェックしていこうと考えている。

粗大ゴミに関しては、コロナの影響でゴミ収集が相当遅延しているようで、退去者が残置していく事が多くなった。
退去しても粗大ゴミ引き取りに時間がかかるからと、ベッドやら食器棚をゴミ置き場に一か月近くも放置されると、こちらとしては何とも釈然としない気分になる。

当然清掃センターに受付済で、シールも貼られているから問題は無いのだがゴミがゴミを呼ぶようで、粗大ゴミが置いてあると近隣住民からの不法投棄が増える。
「コロナ蔓延だからと言う訳で、職員の在宅勤務が増えてますので遅延します。」と清掃センターは言うのだが、今後もこれでは私が困る。

これからは退去通知が来た段階で、入居者に粗大ごみに関する注意喚起をするべきだろうと考えている。
「ゴミ収集が遅延しているようなので、早期の粗大ゴミ申し込みをお願いします。退去日以降は数日ならまだしも、長期間の残置は有料にします。」と言おうと思っている次第だ。

コロナが大騒ぎになってから、大体半年くらい経過した。

その期間で予想も付かなかった事が私の場合、幾つかある。
そのうち3つを書いてみたいと思う。

1、コロナは人種により被害が全然違う。
これは予想外だった。大体、通常のウイルス疾病でここまで差異が出るモノなのかは専門外だから解らないが、普通インフルエンザの場合とかでは日本人だろうが米国人だろうが、似たような症状を示すだろうと思う。
結局、日本人や東アジア人はコロナに比較的強いというのが理由はともあれ、判明したという事なのだろう。

2、テスラ株が大暴騰した。
これも予想外で、むしろ空売りしても良い水準まできていると思うのだが、どうだろうか。
テスラは去年、200ドル~300ドル台だった。今は1500ドル前後まで来ている。
イーロン・マスクCEOは私にとって、あまり好きなタイプの経営者ではないが、見せ方は上手いなあと感じる。

3、日米欧3極で、超金融緩和を更に進めていく雰囲気。
平時、金利が付かないと銀行は赤字になり、倒産するリスクが出てくる。これは島根銀など地銀で深刻になっている話だ。
だから金利を好況時に上げていかないといけないと思う。

しかし、「コロナ対策」という大義名分があるのでこれからもドンドン政府や中央銀行が介入して、市場原理とは違う経済に向かっていくだろう。
これも半年前には、ここまで世界的大規模にやるとは思わなかった。

以上の3点以外にも、ゴールドの暴騰なども意外だった。
底堅いだろうとは思っていたが、ここまで高くなるとは思わなかった。
米中覇権戦争や香港赤化という恐怖感から、チャイナ系などの需要が高まっているのだろう。

以前から世界は複雑化してきて予想が年々難しくなってきたが、今ほど難易度が高まった時代はないだろうと思う。
三峡ダムが決壊する場合や台湾武力併合を中国が進める場合、マーケットは震撼するだろうし、しかしそんな事がいつ起きるのか等は我々には判らない部分だ。

超金融緩和継続も良いがサービスや観光など需要自体がかなり減少している訳で、どこまで継続出来るのか、山高ければ谷深しにならないのかという潜在的な恐怖感はある。

政府に通貨発行権があれば確かに破綻が無い事は解かるのだが、通貨の棄損リスクは出てくる。
その場合、年金生活者や生活保護者などが苦しむ事になり得るだろう。

私はリハビリを進めながら、経済の様子を見ていこうと考えている。そして投資に関しては、需要が見込め少額なモノを買っていきたいと思っている。


世界的に中央銀行が資金量を潤沢に供給しているので、インフレ懸念が高まってきている。

優良企業株が下がらないのは当たり前だが、業績から考えると下落して良いような株式でもあまり下がらない。
金銀等の貴金属高騰は勿論だが、このように株式が案外強いのはハッキリしたインフレ懸念からという側面があると思う。
そのインフレは当然中央銀行や政府によって、もたらされつつある状況なのだろう。

今のマーケットは「見えざる神の手」によって動くものではなく、単なる人為的な統制相場になりつつある。
日銀がマーケットに対してやってきた事と中国共産党がやってきた事は、結構似た部分があるからだ。
そして「コロナ対策」という大義名分から、諸外国も同じ道を歩む事になりつつある。

マルクスが「資本主義は共産主義に至る道の一過程である。」と語っていたそうだが、今のマーケットを見ていると自由市場という言葉とは縁遠い雰囲気になってきているなあと改めて感じる。

今後強者が益々強くなり、合従連衡が更に進んでいく可能性も高まりつつある。
どんな環境下でも膨大なキャッシュポジションを保有するグローバル企業は強い。
弱小企業が倒れていくと、益々強大になって寡占化していくのだろう。

例えば「通販はAmazon、服はユニクロ、車はトヨタかフォルクスワーゲン、食品はネスレ、建売はオープンハウス、家具はIKEAかニトリ、スマホはapple」みたいな感じで各業界を大企業が寡占化していった場合、世界は共産主義とさほど変わらない風景になるのかもしれない。

それはさておき、日本でも世界でも過去の歴史を振り返れば紙幣は紙屑化していく運命にある。
軍票はもとより江戸時代の各藩が発行していた藩札もそうだし、ドルだろうが円だろうが結局は同じようなものだと思う。

それに対抗する手段としては、インフレに強い優良株式か金銀のような貴金属もしくはダイヤモンド、あとは不動産という事になるだろう。

不動産も良いのだが私の懸念点は日本の不動産の場合、人口が減少しているのに供給量が多すぎる点にある。
諸外国の場合は結構建築規制が厳しいので、一気に需給バランスが崩れる事が少ない。(中国は例外)

しかし日本は基本的に都心部は勿論、所沢だろうが川越だろうが越後湯沢だろうが自治体が決断すればタワーマンション等の高層建築物を建てる事ができる。

郊外にも膨大な生産緑地があり、解除は着々と進んでいる。
私が西武線郊外の駅徒歩圏にあるロードサイド一棟マンション兼店舗を売却したのは周囲の生産緑地が、たぶん所有者が死亡したからなのだろうがどんどん宅地化され、建売やアパート等に変化していったからだ。
そして徐々に空室率が高まってきた。

生産緑地に関しての2022年問題はそのまま10年間の再指定組が多数いるだろうが、収益物件化していく人たちもまた少なくないと思われる。

「生産緑地はほとんどそのまま再指定される。」と言っている人がいるが、私は2つの農協組合員でもありそのご縁で実情を聞いてみると、「再指定」ばかりでもなさそうな予想が出てくる。

だから郊外の地価や賃料は潜在的に、かなり膨大な供給過剰というマグマを貯め込んでいると言えるだろう。
私はだから郊外を今後買っていこうとは思わない。

ならば都心部ならば安泰かというと、そうでもない。
アパレルや飲食が今後大規模に閉店していくし、リモートワークも進む。
商業施設やオフィスなどまで考えると、需要が減退していくのは否めないだろう。

空室だらけになった場合でも、雑居ビルが急速に需要が堅い住居物件にコンバージョンしていく事は物理的に難しいが、何れにせよ都心部での需給バランスがどう変化するのかはまだ不確定な部分があるだろうと思う。

こんなに予測困難な2020年になるとは思わなかったが、無理をしないで過大なリスクを負わずに、淡々と投資を進めていこうと考えている。

今年はコロナ蔓延という事で、様々な事情を考慮したのだろうが「ムーンライトながら」の設定が無くなった。

「ムーンライトながら」は510円の指定席+「青春18きっぷ」で快適に東京~大垣まで移動できる夜行列車だ。

以前これは大垣夜行という普通の列車で毎日運行されていたし、他の地域でも「ムーンライトえちご」「信州」「九州」などが夜行バスに対抗して設定されていた。

夏季の「青春18きっぷ」を存分に使う場合夜間の移動も考慮しないと難しいのだが、今回の夏は使い勝手が相当悪い感じになってきた。

東京~名古屋~京都~大阪を格安で移動するには、1日乗り放題の「青春18きっぷ」を使い長距離夜行列車と新快速を乗り継ぐ必要がある。

高校時代の旧友は広島カープのファンだそうで、千葉の都賀駅から広島まで「18きっぷ」を使い在来線だけで1日移動していたそうだ。

この人の場合は趣味の領域になっているのでこんなやり方は万人向けではないだろうが、学生や20代社会人のようにお金はないが時間だけ存分にある人にとって、今回の夏に移動する場合は厳しいものになりそうだ。

元々夜行列車は結構な頻度で普通に走っていて、私も登山の時や格安に移動したい時によくお世話になったものだ。
しかし時代の流れというか営利至上主義の合理化で、どんどん削減されてきて今現在思い立って気軽に乗れる乗り物は新幹線か夜行バスしかないという感じだ。

今や鉄道運営がお荷物になってきているのかJR各線は末端のダイヤをどんどん削減しているし、合理化を更に進めている。

例えば首都圏でもJR中央線の立川以西は日中毎時6本まで削減された。以前の特別快速は高尾と八王子と立川から三鷹・中野という停車駅しかなかったが、今は削減を受けて立川以西は各停になっている。

五日市線も毎時3本から2本。青梅線の奥多摩方面も削減され結構不便な感じだ。
西武線でも多摩湖線のような支線はワンマン化してきて、本線との接続が不便になってきた。

夜行列車も残すところは「18きっぷ」で乗れないサンライズ瀬戸・出雲だけで、これも車体の老朽化を考えるといずれは消滅してしまうのだろう。
サンライズはノビノビシートを格安で利用できるし冬場はホットカーペットが入っていて暖かく私は好きな車両だったが、利用者は最近低迷してきているそうだ。

昭和の文豪である内田百閒先生はただ鉄道に乗るという事だけを愛していたそうで、東京から下関まで夜行列車に乗って行き、またそのまま帰還するという事を好んでいたそうだ。
当時だとおそらく「特別急行燕」などに乗車していたのだろうと思う。

別段なにかある訳でもないのだが、ただ無目的に列車に乗り車窓を眺める。
そしてその時間をただゆっくりと過ごす。
こんな贅沢な時間を使っていたのが内田百閒だ。
旅費には借金したお金を充てていたそうで、なかなか豪気な人だ。

今の時代は時間に追われ、のんびりとした余裕を持つという事が難しくなってきた。
だれがそのように仕向けているのかは判らないが、何とも忙しない時代になってきたものだと感じる。

最近は雨が多く、右肩がイマイチだった。

はやく梅雨明けしないかなあと思っていたのだが、8月からは晴れが多くいざ猛暑日になると、マスクが辛い。

リハビリ中、某弁護士不動産投資家の書籍をよんだ。
内容を要約すると、自分でゲームのルールを作った方が良い。
具体的には自分で都心の土地を仕入れて価値あるRC物件を造り、これを相続対策の必要性がある富裕層に売却、といったスキームを勧めている。

この人は物凄い能力が高い人で、文武両道というか知勇兼備というか、プロ格闘家で弁護士で投資家としても成功しているので本当に凄いなあと思う。

しかしこの人のやり方を無能な人が真似したら、結構大変だろうと感じた。

一番は投資にはリスクがどうしても付いて回るからだ。
この著者であっても正確に物事を見通す事は出来ないだろう。
そうなると、この人が今まで成功してきたように6%台で物件を開発して4%台で売却、という事がとん挫するような経済情勢になった場合に能力が無い人だと即死してしまう。

景気後退時にはどんな素晴らしい物件でも、7%台~の利回りを求められることが有り得るだろう。

著者はそのような状況も想定して、投資がダメになっても良いように弁護士法人からの収入などリスクヘッジをしている。
しかし普通の人は、そうもいかないだろうと思う。

この人のやり方で素晴らしいと思ったのは、地盤を考慮して投資エリアをかなり限定している点だ。

軟弱地盤な城東五区や湾岸を避けて、山手線沿線や代々木上原・中目黒・初台など人気エリアに限定しているそうだ。
地盤の関係から、上野あたりでも山手線内側に限定しているようだ。

城北の場合は新宿~高田馬場~池袋駅徒歩10分までとしていて、確かにこの判断でやれば大地震の時でもさほど影響が無いだろう。

軟弱地盤の土地で私が嫌なのは、大地震があった場合に地中の杭が途中で折れてしまいそれが原因で抜けなくなると、建物自体は解体できてもその土地に改めて新築する場合に多大な影響が出てしまう点だ。

売る場合も杭が残っている場合、トラブルになりやすい。
砂礫層がすぐにくるような良質な地盤の場合、こんなトラブルが減る。
だから軟弱地盤の物件を基本的に私は買わないようにしている。

現在米国での財政悪化スピードが凄まじく、金利上昇懸念が出てきている。
それが現実化した場合には日本の投資用不動産の期待利回りが上昇する、という事も有り得るだろう。

私は著者のスキーム自体は良いと思うが、景気変動の影響を考えると実施する時間帯の成約も考慮していく必要がありそうだと感じた。

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