川田利明の著書を読んだ。
ラーメン屋を開業して10年、運転資金や設備投資で資産を無くしながらも、何とか経営を成り立たせているという話だ。

全日本プロレス(ジャイアント馬場が率いていた)在籍時、川田はメインでの対戦カードに出場する事も多く、真面目で骨っぽいファイトを展開していた。その性格のまま、今はラーメン屋の経営を頑張っているようだ。

読んで、考えさせられた部分がある。

「一杯700円とか800円のラーメンの原価率は高い。さほど利益が見込めないのに、1機100万位する券売機や設備を入れて、元が取れるか不安になった。」
という文章だ。

これは、不動産経営でも当てはまるだろう。
ワンルームで家賃25000円位の低価格物件だと、水回りの交換等高額なリフォーム代をかけても元が取れるか分からなくなる、という感じだろうか。

川田は、そこを考えると恐ろしくなるから考えないようにして、日々の運営に勤しんでいると書いている。

レスラー時代の蓄えである1000万円を準備金としてラーメン屋を開店したが、苦戦する経営環境から、愛車のベンツを3台売却しそのお金も運転資金に充てて、何とか10年間食いつないできたという事だ。

大家さんの中には、副業でラーメンショップのFCに加盟している人がいて私も食べに行った事があるが、閑散とした店内を見て、経営状態が大丈夫か心配した事を思い出した。

飲食店経営は想像以上に大変だ。
家の近所でも廃業するお店が多いと感じている。家賃と光熱費・原価率を考えると、運営が大変なのだろう。
私が食べに行った大家さんのラーメン店も、今は廃業されている。

川田の書籍は、経営の失敗談としても、プロレスファンとしても一読する価値がある本だと思う。

私には飲食店経営の才能がないし、ここまで手間暇かける気力もないので、今後も気軽に手を出さないようにしたい。

開業から3年以内に8割が潰れるラーメン屋を失敗を重ねながら10年も続けてきたプロレスラーが伝える「してはいけない」逆説ビジネス学 単行本(ソフトカバー) – 2019/9/25